男性フォーマルではモーニングや燕尾服、タキシードの他に小物選びも大切です。
せっかく素敵な衣装に身を包んでいても、小物で気を抜いてしまっては詰めの甘いコーディネートになりかねません。
特に胸元のVゾーンはセンスが問われる部分です。
衣装やパーティの雰囲気に合わせてタイを選べば、大人の男性としての評価が上がることでしょう。
逆にいえば相応しくないタイは評価を下げてしまうということです。
特に上司やビジネスパートナーが参加するパーティでは気を引き締めましょう。
「タイぐらいで大袈裟な・・・」と思うかもしれません。
しかし全く同じ実力の2人がいたら、マナーを守ったおしゃれな人と仕事したいと思いませんか?
フォーマルなタイをしっかり学んで、様々なシーンに備えておきましょう。
今回はフォーマルなタイの種類、ボウタイやアスコットタイの選び方と結び方についてご紹介します。
男性フォーマルのタイといえば?
フォーマルシーンで利用できるタイにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
ネクタイ
日本人男性に一番馴染み深いタイといえばネクタイでしょう。
ビジネスシーンからフォーマルシーンまで、ネクタイだけでこと済ませている男性はとても多いです。
セミフォーマルではディレクターズスーツやブラックスーツにネクタイを合わせることもあります。
日本の結婚式のゲストはブラックスーツに白やシルバー、パステルカラーのネクタイを合わせるのが一般的です。
しかし黒のスーツに白いネクタイを締めて集まっている様子を見て、海外の方は驚かれるようです。
ブラックスーツに白ネクタイは海外では裏社会の服装だ、というのをどこかで読んだので、結婚式の2次会は完全にマフィアのパーティ。
— 【ヴィイ本通販】麻野 嘉史/愚々 (@namak) October 3, 2010
日本ではブラックスーツに白ネクタイはセミフォーマルな装いとして馴染み深いですが、海外ではまだ馴染みがありません。
より国際的にフォーマルなタイとして、アスコットタイやボウタイをおすすめします。
アスコットタイやボウタイは女性からの好感度も高いです。
アスコットタイをタイリングでとめてるのめちゃめちゃ好きなんだけど pic.twitter.com/yQ7fw2f6tY
— 寧子 (@nekoyori_) March 19, 2019
男性のタキシードとかスーツ姿って
かっこいいよね(´-`*) 唐突。
清楚でパキっとしたのが素敵。
でも黒のシャツとかも好き。
(前触れもなくふと思っただけw)— SAYA⋆*॰¨̮⋆ (@star1022_s) 2019年4月3日
せっかくのフォーマルな場では日常的なネクタイではなく、アスコットタイやボウタイに挑戦してみましょう。
昼のフォーマル アスコットタイ
アスコットタイは昼間のパーティで用いられるタイです。
主にモーニングコートやディレクターズスーツに合わせますが、タキシードや普通のスーツに合わせてもおしゃれです。
日本ではスカーフ状のアスコットスカーフもアスコットタイといいますが、こちらは少しカジュアルな印象を与えます。
よりフォーマルなシーンなら、アスコットタイでビシッと決めましょう。
個人的な印象ですが、確かにスカーフスタイルはオシャレ感がありますが、キチント感は薄れます。どうせオシャレをするなら、ビシッと決めるほうが格好良くないですか? 水島ヒロさんが、ドラマで執事をしていた時に、フック式のアスコットタイ(ユーロタイ)をしていたのですが、すごくかっこいいですよ。
リングやピンで止めるだけのスタイルもありますが、上の写真のようにしっかり結んだ方がよりフォーマルです。
夜のフォーマル ボウタイ(蝶ネクタイ)
ボウタイは蝶ネクタイとも呼ばれます。
燕尾服には白のボウタイ、タキシードには黒のボウタイを合わせます。
それぞれホワイトタイ・ブラックタイと呼ばれます。
ボウタイの歴史は長く、様々な形が生まれました。
形や選び方については後ほど詳しく見ていきましょう。
蝶ネクタイはフォーマルシーンでは夜のアイテムです。
アスコットタイ・ボウタイで世界基準なフォーマルに
アスコットタイやボウタイは世界的に見てもフォーマルなアイテムです。
国際的なフォーマルパーティでは、アスコットタイやボウタイを身につけておくと良い印象を与えられるでしょう。
正装・準礼装では大活躍
正装(フォーマル)や準礼装(セミフォーマル)ではアスコットタイやボウタイが大活躍します。
昼間の会ではモーニング・ディレクターズスーツにアスコットタイ、夜の会では燕尾服・タキシードにボウタイを合わせるのが正しいスタイルです。
男性のフォーマルやセミフォーマルについては以下の記事が参考になります。
スーツもよりフォーマルに
ブラックスーツやダークスーツにも、ネクタイだけでなくフォーマルなタイを合わせることができます。
ネクタイよりもフォーマルな印象になるため、モーニングやタキシードを着るほどではないけどビシッと決めたい時にアスコットタイやボウタイを合わせましょう。
ドレスコードがセミフォーマルとなっていても、パーティによってはインフォーマル寄りなスタイルが求められていることもあります。
そんな時にもアスコットタイやタキシードはインフォーマルスタイルを格上げしてくれますので役に立ちます。
合わせ方次第ではカジュアルにも
アスコットタイやボウタイはフォーマルだけのものでなく、カジュアルにもおすすめです。
アスコットタイはシャツのボタンを外し、首元を隠すように巻くとカジュアルダウンします。
また、アスコットタイもボウタイもカジュアルなシャツに合わせても素敵です。
シャツのボタンを開け、シャツの中にインするスタイルはカジュアルシーンにもぴったりです。
カジュアルながら、首元が華やかになります。
デニムのシャツに蝶ネクタイの組み合わせは、ガーデンパーティにもおすすめです。
ネクタイだと堅苦しく感じるシーンでも、フォーマルアイテムであるアスコットタイやボウタイを合わせるとおしゃれに見えるのが不思議ですね。
アスコットタイスタイルを楽しむ
アスコットタイはモーニングやディレクターズスーツに合わせると、格式高いパーティにも参加できる装いです。
しかし日本ではアスコットタイよりネクタイが多用されます。
アスコットタイが好きなんだけどメンズたちなかなかつけてくれないのよね
絶対かっこいいし正装なのでやってみてほしい
— ひとりブレーメン・ジマーみはる (@miharusynthhorn)
March 3, 2019
アスコットタイはフォーマルなだけでなく華やかな印象を与えます。
TPOに応じたおしゃれなスタイルで出来る男を演出しましょう。
シーン別アスコットタイの選び方
フォーマルシーンといっても宮中茶会や結婚式、祝賀会などシチュエーションは様々です。
それぞれどんなアスコットタイを選べばいいのでしょうか。
格式高い宮中茶会や園遊会
例えば宮中茶会や園遊会は日本国内では指折りのフォーマルシーンです。
陛下とお会いする公式な場ですので、形式的なスタイルが好まれます。
モーニングコート(Morning dress)☆☆☆
英語では「コート=上着」で、モーニングコートというのは主に上着のみを指し、英語ではこのスタイルはモーニングドレスと呼ばれます。グレーの3ピースのものもあります。日中の正礼装です。 pic.twitter.com/LPwCiNKxOT
— 紳士服ガイド (@Downtonian) January 25, 2019
正統派のモーニングコートにシンプルなアスコットタイの組み合わせです。
格式高い結婚式では新郎新婦の父親もこのようなスタイルが素敵です。
若い人たちの中には、モーニングは歳をとってから着るものと思っている方もいらっしゃいます。
しかし若い方でも十分着こなすことができますので、ぜひ挑戦しましょう。
結婚式のゲスト
結婚式のゲストはきちんとした服装が求められる一方、新郎や親族の方より格上の格好になってはいけないという風習があります。
ドレスコードがフォーマルでない限り、ブラックスーツで出席します。
淡いブルーは爽やかな印象を与えます。
結び方はユーロタイやバロックタイ、プレーンノットと呼ばれるネクタイのように結んだ形がフォーマルです。
ドレスコードのない授賞式
ドレスコードが指定してある場合は、ドレスコードに見合った装いが必要です。
指定のない場合は、ブラックスーツやダークスーツにアスコットタイを合わせてみましょう。
フォーマルな装いでありながら、個性をアピールできます。
レギュラーカラーにアスコットタイを合わせてリングで止めることもできます。
プレーンノットより少しカジュアルな印象です。
アスコットタイを結ぶ
作り結びのアスコットタイもありますが、せっかくなら手結びタイプもあると便利です。
例えば昼の披露宴に参加して二次会にも参加する場合、フォーマルなアスコットチーフは浮いてしまいます。
手結びタイプならフォーマルな結び方から、すこしカジュアルなスカーフ式の結び方に変えて二次会にスタイルに早変わりできます。
フォーマルな結び方、プレーンノットの結び方を動画で見てみましょう。
少しカジュアルなアスコットタイの結び方です。
結び方を覚えておけば昼から夜までアスコットチーフで対応できます。
ボウタイ(蝶ネクタイ)スタイルを楽しむ
ボウタイはフォーマルな燕尾服やタキシードに合わせると国際的な正装・準礼装になります。
フォーマルなタキシードの選び方は以下の記事をお読み下さい。
フォーマルシーンでのボウタイはどんなものを選ぶといいのでしょうか。
シーン別ボウタイ(蝶ネクタイ)の選び方
宮中晩餐会のような厳粛な会と結婚式の披露宴では雰囲気が違います。
同じ黒のボウタイでも、雰囲気に合わせて形を変えるのがおしゃれ上級者です。
シーン別の選び方を見ていきましょう。
宮中晩餐会
晩餐会ではホワイトタイまたはブラックタイがドレスコードになっています。
フルドレスのタキシードが活躍する数少ない場でもあります。
ボウタイの色は燕尾服なら白、タキシードなら黒を選びましょう。
形は最もフォーマルなバタフライか、セミバタフライがおすすめです。
国賓の方もいらっしゃいますので、海外に向けても恥ずかしくない格好をしましょう。
夜の披露宴
結婚式の披露宴が夕方以降に行われる場合で、ドレスコードがセミフォーマル以上であればタキシードを着用します。
ボウタイは黒がフォーマルですが、派手すぎなければカラーや柄物も許容されるでしょう。
スタッフと間違われないためにも、少しアレンジしてみましょう。
オーケストラのコンサート鑑賞
オーケストラのコンサートもドレスコードがありますが、前述のシーンのような堅苦しさはありません。
ボウタイの形はストレートやポインテッドでおしゃれに決めてみましょう。
ポインテッドは先がとんがっている形がキュートですね。
ストレートやポインテッドは、バタフライに比べると少しだけカジュアルな印象です。
ボウタイ(蝶ネクタイ)の結び方
作り結びのボウタイならフックを付けるだけて簡単に装着できますが、手結びのボウタイにはアレンジの楽しさがあります。
ここではフォーマルな結び方から、パーティシーンで使えるちょっと変わった結び方までご紹介します。
まずは1番オーソドックスなボウタイの結び方です。
どんなシーンにも使いやすい結び方です。
この基本の形は覚えておきましょう。
次は可愛い印象の結び方です。
リボンのような形ですので、紳士的な装いに隙を与えてくれます。
インフォーマルなパーティシーンにもおすすめです。
あまり見ることのない変わり種な結び方です。
おしゃれなパーティで活用できそうですね。
「ブラックタイで駆け付けたらカジュアルなパーティだった!」という場合もこの結び方を覚えておけば乗り切れそうです。
他にも様々な結び方があります。
ボウタイは応用の幅が広い万能アイテムなのです。
お気に入りの結び方でボウタイスタイルを楽しみましょう。
タイに合わせるアクセサリー
タイにつけるアクセサリーは、ネクタイピンだけではありません。
素敵なタイのアクセサリーを見ていきましょう。
タイを華やかにするタイリング
タイリングはアスコットタイやネクタイに通して使うアクセサリーです。
キラキラと輝くものが多く、付けるだけでドレッシーさが上がります。
ただし昼間の結婚式や披露宴では過度な光物は避けられます。
ギラギラと光る派手なものは昼間は控え、二次会などで活用しましょう。
アスコットタイは昼間の正装……リングでとめるのは楽しいくだけたパーティー……なるほどなるほど……
— MiYu (@mi_mmss) November 16, 2018
固定とアクセントのタイタック
ラペルピンとも呼ばれることがあるタイタックは、タイの形をキープするためにも使われます。
アスコットタイやネクタイだけでなくボウタイにも使用できるアイテムです。
パールの物は昼間でも使いやすいですね。
フォーマルなタイをアクセサリーでより華やかに
まとめ
ネクタイもセミフォーマルからビジネスまで使える便利なアイテムです。
しかし、より広くフォーマルからカジュアルまで対応できるアスコットタイやボウタイを揃えることは大人のたしなみでもあります。
おしゃれマスターとなって出来る男を演出するために、フォーマルなタイを揃えましょう。
最後にもう一度おさらいしておきましょう。
・日本ではネクタイの使用頻度が高い白ネクタイは世界基準ではない
・国際的にフォーマルなタイはアスコットタイとボウタイ
・フォーマルシーンと一括りにせずTPOに合わせタイを選ぼう
上手にフォーマルなタイを活用できれば、おしゃれマスターになれます。
交友関係も広がって、素敵な縁が結ばれるかもしれませんね。