アメリカで結婚式に招待された!
アメリカに暮らしている人はもちろん、以前アメリカに住んでいて、現地で出会って仲良くなった人が結婚をしたり、日本で仲良くなったアメリカの人がアメリカで結婚式をしたり。
日本に住んでいても、アメリカに住んでいてもアメリカの結婚式に参加する機会はあなたにも訪れることがあるかもしれません。
アメリカに住んでる友達の結婚式に招待されました。むこうの結婚式に参加するのは初めてです。私はワンピースを着ますが、彼はどんな格好をすればよいでしょうか(>д<)?
よく映画の中で男性は黒いスーツに蝶ネクタイをしてるのをみます。むこうでは男性はみなさん蝶ネクタイが主流なんでしょうか??
さて、アメリカの結婚式に招待されたらあなたは何を着て行きますか?
「結婚式なんだから、男は黒のフォーマルスーツで行くのが当たり前じゃないの?」
今年はものすごく久しぶりに結婚式のご招待を頂いたので、フォーマルスーツを新調しよう。いわゆる紳士服店に行くのも、ものすごく久しぶり(笑)
— パパゴンザレス (@PPGN66) January 6, 2019
日本では、黒のフォーマルスーツは、結婚式の他にもお葬式や会社で開かれるパーティーなど用途は広く、どんな機会でも失礼ならない万能スーツとして認められています。
日本でもTPOによって服装についてのマナーやしきたりがあるように、アメリカには『ドレスコード』と呼ばれる装いに関するマナーやしきたりがあるんです!
国が違えばマナーが違うのは当たり前です。
場違いな服装で結婚式に参加して恥ずかしい思いをしてしまったり、せっかくのお祝いの席で浮いた格好をしてしまって「肩身の狭い思いしてしまった!」なんてことがあってはせっかくのお祝いの席も台無しです。
アメリカのマナー、常識をしっかり理解し、自信を持ってアメリカの結婚式に参加しましょう!
Contents
招待状
結婚式は、ほとんどの場合で招待状を受け取ることで正式に招待を受けたことになります。
招待状には日時や時間、場所や新郎新婦のウェディングレジストリー(新郎新婦が新生活で欲しいと思っているもののリストで、招待客はこの中かから自分がプレゼントしたものを選ぶことができます。)のアドレス(最近はインターネット上で贈るのです)、
そして『ドレスコード』が書いてあります。
ドレスコード
ドレスコードとは、
社会の中のさまざまな場所と機会、また行事や催し物、パーティやディスコなどの場面で当然、その場面でしかるべきとされる服装のことをいう。
周囲への配慮から始まったエチケットである。行事によっては主催者側でフォーマル、インフォーマルなどと指定されることも少なくない。英語の表現をそのまま使ってドレスコードと表現されることもある。
Wikipedia
アメリカでは、結婚式だけでなく、レストランやパーティーなど、様々なシーンでドレスコードが使われています。
ドレスコードってか、あれか、カジュアルすぎない服?
よーわからん— まゆ (@mayu_mayukendo) March 18, 2019
『ドレスコード』とは、様々なランクの服装全体を指す言葉であり、『ドレスコード』という言葉そのもののに特定の服装を示す意味はありません。
結婚式の場合、格式や場所にもよりますが、アメリカでは相対的に『日本よりもカジュアル』と言ってしまっても間違いはありません。しかしだからと言って日本と同じ感覚で服装を選んでしまっては大変です。
服装に関してはドレスコードが示されている場合が多く、それに従っていけばその場にふさわしい装いで参加することができます。
同じドレスコードでも、女性の場合は比較的幅が広く、様々な装いを楽しめますが、男性の場合はドレスコードによってある程度スタイルが決まっているものがあります。
先に『相対的にカジュアル』とは言いましたが、格式の高いドレスコードにはきちんとした決まりがあります。
また、地域や新郎新婦の意向によって結婚式のスタイルは実に様々ですが、どのような結婚式に呼ばれるかはわかりません。
どんなドレスコードの結婚式にお呼ばれしても、安心して出席できるように結婚式の招待状で見られる一般的なドレスコードを紐解いていきましょう!
Black Tie
『White Tie 』の次に格式高いドレスコード。
(『White Tie』はホワイトハウスや王室で行われる最もフォーマルな機会に使われるドレスコードなので、今回は省略しています)
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『Black Tie』は夜に行われる結婚式で用いられる格式高いドレスコードです。
Black =黒
Tie =蝶ネクタイ
ということから『Black Tie』と呼ばれています。
アメリカで行われるオスカーの授賞式のドレスコードがBlack Tieです。レッドカーペットを歩くセレブ達を想像するとわかりやすいですね。
着用するのは黒のタキシード。
黒のタキシードジャケット、パンツ、ウィングカラーのシャツ、ベストもしくはカマーバンド、黒の蝶ネクタイ、エナメル皮のプレーントウの靴がフルドレスになります。
ポケットチーフやカフボタンで少しだけ個性を出すこともできますが、基本的にはあまりオリジナリティを出すのは難しいほどしっかりとした決まりがある数少ないドレスコードです。
夏の場合は白のジャケットに黒いタキシード用のパンツを合わせても大丈夫ですが、基本的には黒のタキシードのフルドレスと考えて間違いはないでしょう。
Black Tie Optional/ Formal Attire
Formal attireは日中、夜、どちらかに開かれるパーティーで、Black Tie Optionalは夜に開かれるパーティーで使用されるドレスコードです。
ほとんどの場合、男性に向けて『タキシードではなくても大丈夫ですよ』と促すもので、女性はBlack Tieと同様の装いになります。
タキシードでももちろん大丈夫ですが、Black Tie Optionalの場合、タキシードを多少ドレスダウンをする人も多いようです。
黒の代わりに濃紺のタキシードにしてみたり、白一色ではなく黒いラインが入ったポケットチーフなどを選んでみるのも面白いでしょう。
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タキシードではなくスーツで参加する場合は黒、濃紺やダークグレーなど、暗い色のスーツに白シャツと蝶ネクタイ、もしくは通常のネクタイ(どちらも黒か落ち着きのあるダークカラー)で参加することも可能です。
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以上、ここまでが男性のドレスコードの中でも割ときちんとした決まりがある2つです。
女性は男性に比べて比較的自由がきくドレスコードですが、男性の場合は色や素材などにある程度決まりがあるのがわかりますね。
Semi Formal/ Cacktail Attire
Black Tie、 Formal Attireに比べると大分カジュアルになります。
パーティー感があり、広く遊べる装いで、Cocktail Attireは基本的に夜に開かれる場合に指定されるドレスコードになります。
The most forgiving of the dress codes, cocktail attire means you have options.#Weddings #CocktailAttire #DressCode https://t.co/nIo8dMdDd0
— J&M Entertainment (@JandMevents) August 25, 2017
ドレスコードの中でもそこまで厳しくないのがCocktail Atire。多少のオプションがある、っていうことさ。
基本はスーツとネクタイです。
このドレスコードの場合、スーツ、シャツやネクタイも色や柄にバリエーションを加えても大丈夫です。
結婚式の時間帯によって日中は明るめの色、夜の場合は紺やチャコールグレーなどのダークカラーのスーツで参加しましょう。足元は革靴で。
ここで注意したいのが日本の男性が結婚式でよく着る『ブラックフォーマルスーツ』です。
欧米では黒は悲しみの色とされていることからも、アメリカでは黒無地のスーツはお葬式を連想させてしまいます。
Black TieやBlack Tie Optional以下のドレスコードで暗い色を選ぶ際は黒を避け、紺やグレーのスーツを選ぶといいでしょう。
結婚式が開かれることも多いホテルで夏の間だけアルバイトをしていた時の話です。
日本人の新郎さんと、アメリカ人の新婦さんのカップルの結婚式で通訳も兼ねてお手伝いをしたことがありました。
日本からの参列者も多い賑やかな結婚式でだったのですが、新郎側の男性親族(日本人)は『黒のフォーマルスーツ』で会場に続々と到着。
同じアルバイトの仲間から
「YAKUZA?!」とびっくりされてしまいました。
かたや花嫁さんの親族は男性といってもみなさん華やか!
両家が並んだ時に、半分は結婚式だけど半分はお葬式?!と思わずにはいられないような状況になってしまっていました。
せっかくの結婚式だったのにちょっと残念だなあ、と思ったのを覚えています。
日本でよく見かける太いストライプが斜めに入っているネクタイ。
名前はレジメンタルタイと呼ばれ、イギリスでは騎士時代に軍隊を識別するために使われており、また近年では私立大学でそれぞれのレジメンタルタイが使われるようになりました。
日本では結婚式やビシネスシーンでもよく見かける柄ですが、海外では意味をもつ柄であるレジメンタルタイは避けた方が無難でしょう。
Daytime Semi Formal
ゴルフ場やワイナリーなど、日中に野外で行われる結婚式で使われるドレスコードで、Cocktail Attire よりも少しドレスダウンします。
リネンのスーツや、ベージュやクリーム色など、軽い色のスーツがいいでしょう。
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明るい色のドレスパンツにブレザーなど、どちらにしても軽い装いを心がけましょう。
シャツやネクタイの色や柄で遊ぶこともできます。ポケットチーフも合わせてコーディネートを楽しむのもおすすめです。足元はこちらも革靴で。
Beach Formal
海岸で行われる結婚式の場合に使われるドレスコードです。
Beach Formal はDaytime Semi Formalと同じ感覚ですが、気温が高いこともあるためより軽く明るい装いを心がけます。
シアサッカー生地のスーツなどもいいでしょう。
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シャツも半袖、ネクタイもしなくても大丈夫。
さらにBeach Casual までくれば、軽い色のブレザーの下にしっかりした素材のTシャツを合わせてしまっても。
丈の短いショーツのスーツも海辺らしくて素敵です。足元は素足にサンダルでもOK!
Casual
最初にも述べたとおりこの『カジュアル』ドレスコードまでくると基本的に日本に比べて決まりごとはほとんどないと言ってしまってもいいくらいになります。
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結婚式の規模やスタイルにもよりますが、このドレスコードに関してはとても広い意味で使われていることが多く、新郎新婦の雰囲気や、結婚式場の大きさやロケーションなどによっても随分変わってくることがあります。
一般的にはドレスパンツやチノパンツに襟付きのボタンシャやポロシャツなど。
シャツやネクタイは色や柄物をチョイスしてもOK!
ジャケット、ネクタイはお好みで。
ジャケットを着ない場合、見せるサスペンダーでおしゃれをしても楽しいですね。
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シャツのボタンを開けてドレスダウンもできますし、足元も素足におしゃれなローファーや革製のデッキシューズやドライビングシューズを合わせても素敵です。
Semi Formalのところでもありましたが、こちらでも黒のシャツやジャケットは避けましょう。
『カジュアル』とはいっても、しっかりとしたパンツ、きれい目のシャツやポロシャツに革靴を身につけていればいれば間違いないでしょう。
『カジュアル』と一括りにされているこのドレスコード。
Daytime Semi Formalと同じくらいのドレスアップから、場合によってはジーンズで参加している人がいることも。
不安な場合は新郎新婦、もしくは近しい友人にどのような装いで行ったらいいかを聞いてみることをおすすめします。
アイダホ州の田舎で開かれた友達の結婚式に参加した時のことです。家族と友達だけが集まる小さな式だったのですが、カジュアルすぎてびっくりしたことがあります。
新郎に確認しても、ジーンズでいいよ!と言うので、自分は濃い色のジーンズにボタンダウンのコットンシャツで出かけたのですが、到着してみて一番驚いたのは新郎のお兄さん。
ジーンズの上はなんと『タキシードを着ているように見えるイラストが描いてある』Tシャツを着ているのです!
本人は「面白いだろ〜!」と嬉しそう。そして新郎までも、「それなら窮屈じゃなくていいね〜!」と。新郎のお父さんもジーンズにポロシャツ、そして足元はカウボーイブーツ。
ドレスコードが『カジュアル』だったのですが、まさかここまでカジュアルだとは。スーツを着ていかなくてよかった、と思ったのを覚えています。
Themed Wedding Attire
新郎新婦がテーマを決めてそれにそったドレスコードを参列者にお願いする場合のドレスコードです。
単純に色が指定されていることがあれば、ビンテージやカントリー、60年代、80年代など、着るもののスタイルを指定されることもあります。
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また他にも会場のデコレーションが、二人が初めてのデートでみた映画、出会うきっかけになったスポーツ、大好きなミュージシャンなどがテーマになっていることもあります。
少しハロウィンの仮装のような感覚もありますが、結婚式のお祝いと言うことを忘れずに! なるべくドレッシーに決まるよう、素材や小物使いに気を配りましょう。
ドレスコードが書かれていない招待状を受け取ったら
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『招待状を受けとったけど、どこにもドレスコードが見当たらない!』
ということもあります。
ドレスコードが書かれていない結婚式の場合、大体の場合ドレスコードは『Casual』と考えて大丈夫です。
先にも書いたとおり、『少しおしゃれをしてディナーに出かける』気持ちで服装を選べばフォーマル過ぎたりカジュアル過ぎて恥ずかしい思いをすることはありませんが、もしどうしても不安な場合は新郎新婦に直接尋ねてももちろん大丈夫!
また、日本よりもドレスアップをする機会が多いアメリカでは、ドレスアップ用の装いが日本よりも簡単に、そしてリーズナブルに手に入れることもできます。サイズや種類もとっても豊富!
どんな服装を選んだらいいかわからない時は、無理して日本でスーツや服を調達せずに、アメリカに着いてから新調するのも方法の1つです。
まとめ
アメリカの結婚式でよく使われるドレスコード、いかがだったでしょうか?
時間帯や場所によっても多少違いは出てくるものの、
基本さえわかっていれば難しいことはないことがわかります。
Black Tie | 黒のタキシード |
---|---|
Black Tie Optional | タキシード(黒または濃紺) ダークカラースーツ/白シャツ/黒、もしくはダークカラーの無地ネクタイ/黒の革靴 |
Semi Formal・Cacktail Attire | スーツ/ネクタイ/革靴 色シャツ、柄のネクタイもOK |
Daytime Semi Formal | 明るめのスーツ・リネンスーツ/革靴 |
Beach Formal | 色、素材とも軽くて明るいスーツ・ショーツスーツ/ サンダルもOK |
Casual | チノパン・ドレスパンツ/ボタンシャツ・ポロシャツ/革靴 |
Themed Wedding Attire | 指定されたテーマに沿った服装をドレッシーに! |
実はこのドレスコード、英語でそれぞれの違いを検索しても、ドレスコードがカジュアルに近づけば近づくほどなかなかこれといった答えが出てこないこともあり、
人によってそれぞれに解釈の違いがあり、またアメリカに暮らしている人にとっても曖昧であることがわかります。
フォーマルどの高めな『Black Tie』や『Black Tie Optional』は例外ですが、
それ以降のドレスコードに関しては『こうした方がいいよ』というある程度の決まりであって、
常識やルールよりも自分らしさを大切にするアメリカの人は、何より『主役の二人をお祝いしよう!』という気持ちを大切にしています。
せっかくアメリカの結婚式に参加するのです。
みんなおんなじ黒のフォーマルスーツを抜け出して、ドレスコードを参考にしてあなたらしい装いを楽しみましょう!
きっと自信を持ってアメリカの結婚式に参加できるはずです。
そして、新郎新婦を精一杯お祝いしてあげてくださいね!